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私たちの取り組み2023
2023年受賞the RECORDS
Data
概要
ターミナル駅の千葉駅から徒歩圏かつ大型都市公園に隣接するにも関わらず、その価値を埋もれさせてきた築35年のビジネスホテルを複合商業施設として再構築。「公園との一体感」と「地域の活性化」を 図り、新たな目的を帯びた施設へと再生させたプロジェクトです。
建物はRC造の間仕切壁も多く、再生させるのは障害が多いため、経済原理に則すれば取り壊して新築ビルを建設することがセオリーかと思われます。しかしあえて構造躯体を残し、その結果を地域に示すことが地域活性化にも繋がると判断しました。
3,4階をビルオーナーでもある地域デベロッパー企業のオフィスとしながら、1,2階に公園と一体感のある入りやすい店舗、5階には地域ビジネスの活性化のための場を創出しました。
Point1
既存の駐車場や設備置場を客席としたり、公園側に大きな開口を設けたりすることで、公園や地域と密接な建物に改修
Point2
容積緩和対象である駐車場を店舗としたことで発生した減床面積の義務を逆手に、各所に開放感のある吹抜けを創出
Point3
地域デベロッパーが自社オフィスとしながら、住民が入りやすい店舗や地域ビジネスの活性化のための場をオープン
評価
美しいCGと共に発表される大手デベロッパーによる大規模再開発がどこか現実を遊離した夢物語のようなものに見えてしまう一方で、中規模デベロッパーによる小さな開発に現在注目が集まっている。そもそも大規模再開発では開業まで10年を超えるものも少なくない。そうなると入るテナントはもちろん分からないし、あらゆることが仮決定のまま進んでいく。
ザ・レコーズがある場所は元々古いビジネスホテルが建っていた。ただ、公園の眼の前という抜群の立地にも関わらず、その恩恵を最も受けることのできる 1 階は駐車場だった。それは駐車場が建築基準法 上容積率にカウントされないからだ。そこで、上階の床を抜くことで面積を縮小させつつ、内部は吹抜けがたっぷりと取られ、見事に公園と一体となった気持ちの良い場所へと変容させている。
秀逸なのは事業も自社で行っている点だろう。ユーザーの目線を保ったまま事業や空間デザインのアイデアを実現させ、建物単体だけでなく、まさに街を「再」開発している。